年金生活者支援給付金のはがきは1月4日まで|満額納付より多い人がいる理由

年金生活者支援給付金のはがきは1月4日まで|満額納付より多い人がいる理由 家計・節約

日本年金機構が2026年9月1日から、年金生活者支援給付金の請求書(はがき型)を対象者に順に送っています。年金とは別に上乗せでもらえるお金で、はがきを出さないまま置いておくと、本来受け取れたはずの分が消えてしまいます。よく「月5,620円がもらえる」と紹介されますが、これは全員が受け取れる額ではありませんし、人によってはこれより多くなります。計算式を見ると、その理由と、自分の見込み額の見当がつきます。

老齢給付金の基準額
月5,620円
納付済480月の場合(令和8年度)
給付金の引上げ率
+3.2%
基礎年金は+1.9%
はがきの提出期限
1月4日
令和9年。過ぎるとさかのぼれない

出典:日本年金機構「老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金の概要」「令和8年度の年金額および年金生活者支援給付金支給金額の改定について」

読み取れること:よく見る「月5,620円」は、保険料を40年(480月)すべて納めた人の額です。納付済期間が短ければ減るが、保険料の免除を受けていた期間があると、むしろ5,620円を超えることがあります。

対象になるのは3つの要件をすべて満たす人

日本年金機構によると、老齢年金生活者支援給付金の支給要件は次の3つです。ひとつでも外れると対象になりません。

要件 内容
年齢・年金 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
世帯の課税状況 請求する人の世帯全員の市町村民税が非課税
前年の所得 公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が80万9,000円以下(昭和31年4月2日以後生まれの場合)

注意したいのが2つ目だ。本人が非課税でも、同居している家族に課税されている人がいれば対象外です。裏を返せば、世帯の状況が変われば新しく対象になることもあります。所得が80万9,000円を超えて90万9,000円以下の人には「補足的老齢年金生活者支援給付金」という別の枠があり、所得に応じて段階的に減る仕組み(調整支給率=(90万9,000円-前年の所得)÷10万円)になっています。ぎりぎり超えたから全部ゼロ、という制度ではありません。

「月5,620円」は全員の額ではない|計算式を見ると理由が分かる

老齢年金生活者支援給付金の額は、次の2つを足して決まります。

(1)保険料を納めた期間の分 5,620円 × 納付済月数 ÷ 480
(2)保険料を免除された期間の分 11,768円 × 免除月数 ÷ 480

(2)に使われる額が(1)の約2.1倍あるのが効いてきます。保険料を免除されていた期間は年金本体が減りますが、この給付金ではむしろ高い係数が掛かります。結果として、免除期間がある人の給付額が、40年間すべて納付した人を上回ることがあります。

納付の状況別に見た月あたりの給付額

納付済30年+全額免除10年5,620円×360÷480 + 11,768円×120÷480月7,157円40年すべて納付(480月)5,620円×480÷480月5,620円納付済30年のみ(360月)5,620円×360÷480月4,215円納付済20年のみ(240月)5,620円×240÷480月2,810円
日本年金機構が公表している計算式(令和8年度)にもとづく試算。免除期間は全額免除として計算しています。4分の1免除には別の額(5,884円)が使われます。
読み取れること:30年納付+全額免除10年の人は月7,157円。40年すべて納付した人の月5,620円を1,537円上回ります。年間では約1万8,000円の差です。「免除を受けていたから期待できない」と思い込んで、はがきを放置してしまう。これがいちばんもったいないパターンです。

これは給付金だけを切り出した話で、老齢基礎年金の本体は納付済期間が長いほど多くなります。年金と給付金を合わせた総額で免除期間のある人が有利になる、という意味ではない点は誤解しないでおきたい。

最初に浮かぶ疑問|すでに年金をもらっているのに、なぜ別の手続きが必要なのか

年金生活者支援給付金は老齢基礎年金とは別の制度で、税金を財源に上乗せされるものです。そのため、年金を受け取っていることとは別に、所得の要件を満たしているかを確かめる請求手続きが必要になります。

前年に手続きをして受給していた人でも、所得の状況が変われば翌年度に自動で続くとは限らず、あらためて請求書が送られてくることがあります。今回はがきが届いたということは、これまで対象外だった人が新たに対象になった可能性があるということだ。「去年もらっていないから自分は関係ない」とは限りません。

なお令和8年度の改定率は、この給付金が+3.2%、老齢基礎年金が+1.9%、厚生年金の報酬比例部分が+2.0%と、それぞれ違います。給付金と年金本体では改定の計算方法が違うので、同じ年でも上がり方がそろいません。

提出期限|令和9年1月4日までに届けば令和8年10月分からさかのぼれる

はがきに印字されている提出期限は令和9年1月4日。報道各社も同じ日付を伝えています。この日までに日本年金機構へ届けば、令和8年10月分にさかのぼって支給される。過ぎると請求した月の翌月分からになり、さかのぼりはありません。

提出のタイミング いつ分から支給 基準額で計算した差
令和9年1月4日までに到着 令和8年10月分から —
令和9年3月に提出 令和9年4月分から 6か月分・約3万3,700円を受け取れない

1か月遅れるごとに、その月分がそのまま消える計算です。届いたはがきを「また年金関係の書類か」と脇に置いてしまう。受け取れない原因は、たいていこれです。

書くのは氏名、日中つながる電話番号、提出する日付の3つだけ。記入したら同封の目隠しシールを貼り、切手を貼ってポストに入れるだけです。マイナンバーカードがあれば日本年金機構の電子申請でも請求できます。はがきを失くしたときや、外出が難しいときはこちらを。

判断軸|自分より先に、親や家族に届いていないかを確認する

この給付金の対象は、年金収入が一定水準以下で、世帯全員が非課税の高齢者です。この記事を読んでいる本人が対象とは限りません。確認する価値が高いのは、離れて暮らす親の分である。

高齢の親がはがきの意味が分からず引き出しにしまったまま忘れてしまう、「また何かの勧誘か」と処分してしまう。どちらも珍しくありません。次に帰省したときや、電話で話す機会に、日本年金機構から緑色の封筒やはがきが届いていないか聞いてみてください。それだけで、数か月分の給付金を無駄にせずに済むことがあります。

判断に必要なのは相場の予測ではなく、「はがきが手元にあるか」「提出したか」という事実の確認だけだ。これなら、今日のうちに確かめられます。

まとめ

1. 対象は65歳以上・世帯全員が非課税・前年の所得80万9,000円以下の3要件をすべて満たす人。
2. 「月5,620円」は40年すべて納付した場合の額。免除期間があると5,620円を超えることがあります(30年納付+全額免除10年で月7,157円)。
3. 提出期限は令和9年1月4日。過ぎると令和8年10月分にさかのぼれず、遅れた月数分がそのまま消えます。

本記事は日本年金機構が公表している制度情報にもとづく情報提供です。実際に受け取れる金額は納付や免除の履歴によって一人ひとり異なります。金額や期限は届いたはがき・通知書と日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

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