「国保の上限が110万円に上がった」という話を見たあとで、自治体のページを開いたら「113万円」と書いてある。どちらかが間違っているのだろうか、と手が止まります。結論から書くと、どちらも間違いではありません。数え方が違うだけです。
2026年度(令和8年度)の国民健康保険料の上限は、4つの区分を足した113万円です
国民健康保険料には、区分ごとに上限(賦課限度額)が決められています。名古屋市の案内によると、2026年度の区分別の上限は医療分67万円、支援金分26万円、介護分17万円、そして新しく設けられた子ども分3万円です。足すと113万円になります。
| 区分 | 2025年度(令和7年度) | 2026年度(令和8年度) |
|---|---|---|
| 医療分 | 66万円 | 67万円(+1万円) |
| 支援金分 | 26万円 | 26万円(変更なし) |
| 介護分 | 17万円 | 17万円(変更なし) |
| 子ども分 | — | 3万円(新設) |
出典:名古屋市「年間保険料の最高限度額(国民健康保険)」(2026年4月1日更新)
110万円と113万円、どちらも正しい数字です
この表を見ると、2つの数字の関係がはっきりします。医療分・支援金分・介護分という従来の3区分を足すと110万円です。そこに2026年度から新設された子ども分3万円を足すと113万円になります。「110万円に上がった」という説明は従来の3区分の合計を指していて、「113万円」は新しい区分まで含めた合計を指しています。片方だけを見ていると、どちらかが誤報に見えてしまいます。
ただし、すべての世帯で113万円が上限になるわけではありません
ここが実際にはいちばん効いてきます。介護分は、世帯の全員にかかる区分ではありません。仙台市の案内には、介護分について「40歳以上65歳未満の加入者のみで計算します」と書かれています。つまり、その年代の加入者がいない世帯では介護分そのものが発生せず、上限も17万円分低くなります。
| 世帯の構成 | かかる区分 | 上限の合計 |
|---|---|---|
| 40歳以上65歳未満の加入者がいる | 医療・支援金・介護・子ども | 113万円 |
| その年代の加入者がいない | 医療・支援金・子ども | 96万円 |
自分の世帯が上限に当たるかは、自治体の試算で見ます
いくらの所得で上限に届くかは、全国一律では決まりません。所得割の料率も均等割の金額も自治体ごとに違うためです。たとえば仙台市の2026年度の医療分は、所得割が基準総所得金額の7.96%、均等割が1人あたり27,850円、平等割が1世帯26,700円という組み立てで、ここに同じ考え方で支援分・介護分・子ども分が重なります。上限に届くかどうかは、この料率に自分の所得を当てはめないと分かりません。多くの自治体が保険料の試算ページを用意しているので、そこで確かめるのが早道です。
判断軸は、世帯に40歳から64歳の加入者がいるかどうか
将来の料率は読めませんが、自分の世帯の構成は分かります。見るのは次の2つです。
- 世帯に40歳以上65歳未満の国保加入者がいるか。いれば介護分がかかり、上限は113万円の側で考えます
- いなければ上限は96万円。ニュースで見た数字と自分の通知書が合わない理由は、たいていここにあります
- 実際の金額は、お住まいの自治体の試算ページで確かめます
出典:名古屋市「年間保険料の最高限度額(国民健康保険)」、仙台市「保険料はいくら(令和8年度)」(いずれも2026年10月時点の公表情報に基づきます)
保険料の料率や限度額は自治体ごとに決まり、年度ごとに見直されます。実際の金額は、お住まいの市区町村の案内でご確認ください。


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