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NISAで買った商品を含み損のまま売ったあと、次に気になるのは「この損失、確定申告で繰り越せるのかな」というところだと思います。特定口座なら、売却損はその年の配当と相殺でき、相殺しきれなければ翌年以降に持ち越せる。同じことがNISAでもできそうに思える。結論から言うと、できない。しかも理由は「手続きが面倒だから」ではなく、税務上そもそも損失として存在しない扱いになるからです。国税庁の説明を見ながら、特定口座との違いと、売ったあとに何が残るのかを見ていきます。
NISAの損失が繰越控除できないのは、損失が「ないもの」とされるから
国税庁のタックスアンサーNo.1535には、非課税口座で取得した上場株式等を売却して生じた損失について、「その上場株式等を売却したことにより生じた損失はないものとみなされます」と書かれている。そのうえで、特定口座や一般口座で保有する上場株式等の配当等や譲渡益との損益通算も、繰越控除もできないと明記されています。
出典:国税庁タックスアンサー No.1535「NISA制度」、No.1474「上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」
読み取れること:NISA口座は、利益が出ても損失が出ても税金の計算に関与しない。得をする場面だけでなく損をする場面でも計算の外にある、と考えると理解しやすくなります。
特定口座・一般口座とは何が違うのか
同じ上場株式等でも、どの口座で持っていたかで税務上の扱いが変わる。
| NISA口座 | 特定口座・一般口座 | |
|---|---|---|
| 売却益 | 非課税 | 課税される(申告分離課税) |
| 売却損の損益通算 | できない | 上場株式等の配当等(申告分離課税を選択したもの)と可能 |
| 翌年以降への繰越控除 | できない | 翌年以後3年間にわたり可能 |
| 必要な手続き | なし | 繰越控除を使うなら連続した確定申告 |
出典:国税庁タックスアンサー No.1535、No.1474
なぜ「ないもの」として扱われるのか
NISAは、利益が出た年に税金を取らない制度です。裏を返すと、その口座の売買は毎年の税額計算にそもそも乗りません。損益通算や繰越控除は「税額を計算する仕組み」の一部なので、計算に乗らない口座の損失は対象になりません。非課税というメリットと、損失が使えないという制約は、同じ設計から出ています。
この扱いは2024年からの新NISAに限った話ではなく、2023年までの一般NISA・つみたてNISA、ジュニアNISAにも共通します。
繰越控除が切れるのは、損失が消えるからではない
特定口座の損失を繰り越すとき、気をつけたいのは金額ではなく手続きのほうです。国税庁は、繰越控除の適用を受けるには損失が生じた年に付表を添付した確定申告書を提出し、その後の年も連続して申告書を提出する必要があるとしています。しかも「上場株式等の譲渡がなかった年も、譲渡損失を翌年へ繰り越すための申告が必要です」と明記されています。売買しなかった年に申告を忘れると、それまで積み上げた繰越しがそこで途切れてしまいます。
損益通算は、ある取引で出た損失を別の取引の利益と相殺して税額を計算すること。繰越控除は、その年に相殺しきれなかった損失を翌年以降の利益と相殺できるよう持ち越すことです。どちらも「税金を計算する仕組み」の一部であり、税金の計算に関与しないNISA口座はその対象になりません。
読み取れること:繰越控除が切れるのは損失が消えたからではなく、申告が途切れたからです。売買のなかった年も申告が要る、という点だけ覚えておけば防げます。
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特定口座で出た損失を翌年以降に繰り越すには、まずその口座を持っていることが前提になります。
松井証券の総合口座は源泉徴収ありの特定口座に対応しており、NISA口座も同時に申し込めます。国内株式のほか、投資信託や米国株式も取り扱っています。
ただし口座があるだけで繰越控除が使えるわけではありません。損失が出た年と、その後の各年に確定申告を続ける必要がある点は変わりません。
手数料・取扱商品・キャンペーンの条件は変更されることがあります。申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。
損失が出ても、非課税投資枠は翌年に戻る
NISAで損切りすると「非課税枠を無駄にした」と感じやすい。ここで少し救いがあって、税務上の損失が使えないことと、投資枠そのものが失われることは別の話です。金融庁の説明では、保有商品を売却すると、売った商品の簿価(買ったときの金額)分の非課税投資枠が翌年以降に復活し、また使えるようになります。生涯投資枠1,800万円のうち、売った分はゼロになるのではなく、翌年から戻ってきます。
出典:金融庁「NISAを知る」
読み取れること:税制上の損失は戻りませんが、非課税で投資できる枠は戻ります。損切りした年の年間投資枠は使い切ったままでも、生涯投資枠の中の売却分は翌年から再び使えます。
売ったあとに考えることは、自分の手元の情報で決まる
ここから先は相場の予測ではなく、自分がすでに知っていることで決められます。
☐ 今年の年間投資枠をどこまで使ったか
☐ 売った理由が「値下がり」か「方針の変更」か。前者なら売る必要があったかを見直す
☐ 積立を続ける予定があるか。あるなら翌年に戻る枠をどう使うかを先に決めておく
☐ 損失が出たのがNISA口座か特定口座か
☐ 確定申告を毎年しているか(特定口座の損失を繰り越すなら必須)
まとめ
2.特定口座・一般口座の損失なら翌年以後3年間の繰越控除が可能。ただし連続した確定申告が条件です。
3.売却した分の非課税投資枠は翌年以降に復活します。損失と投資枠の消滅は別の話です。


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