NISAとiDeCoはどちらを先に始めるか|60歳まで触らない額で決める

NISAとiDeCoはどちらを先に始めるか|60歳まで触らない額で決める 投資

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毎月の余裕資金が限られていると、「NISAとiDeCo、どちらから始めればいいのか」で止まりがちです。どちらも税制優遇のある制度ですが、優遇のかかり方がまったく違います。

結論から言うと、「どちらが得か」を先に考えると答えが出ません。先に決めるのは「60歳まで触らないと言い切れる金額はいくらか」です。そこが決まれば配分は自動的に決まります。

いつでも売却可
NISA
翌年に枠が復活する
原則60歳まで
iDeCo
引き出せない
掛金の全額
iDeCoの所得控除
その年に払った額が対象

出典:金融庁「NISAを知る」、iDeCo公式サイト、国税庁「小規模企業共済等掛金控除」(いずれも2026年9月25日確認)

2つの制度は、優遇される場所が違う

同じ「税制優遇」でも、NISAは増えた分にかかる税金が免除され、iDeCoはそれに加えて今年の所得税・住民税が軽くなります。そのかわりiDeCoはお金が固定されます。

  NISA iDeCo
引き出し いつでも売却できる。売却した分は翌年以降、簿価の分だけ枠が復活して再利用できる 原則60歳まで引き出せない。受け取りは60歳以降75歳までの間で選ぶ
今年の税金 変わらない 掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になり、所得税・住民税が軽くなる
運用益 非課税。保有期間は無期限 非課税
枠 年間360万円(つみたて120万+成長240万)、生涯1,800万円(うち成長投資枠1,200万円) 加入区分による。会社員で企業年金がない場合は月23,000円

読み取れること:iDeCoの強みは「今年の税金が減る」ことで、これは運用成績と無関係に効きます。弱みはお金が60歳まで動かせないこと。NISAの強みは自由に出し入れでき、売った分の枠が戻ること。2つは競合ではなく、性格が逆です。

出典:金融庁「NISAを知る」、iDeCo公式サイト「iDeCoの加入資格・掛金・受取方法等」、国税庁タックスアンサーNo.1135、厚生労働省「iDeCoの概要」(2026年9月25日確認)

先に決めるのは「60歳まで触らない額」

相場も金利も予測できませんが、次の3つは今日わかります。どれも自分がすでに答えを持っている情報です。

確認すること なぜ効くか
① 60歳より前に使う予定のあるお金か
教育費、住宅の頭金、転職や独立の備え、親の介護
使う予定があるお金をiDeCoに入れると、必要なときに取り出せません。ここがiDeCoの唯一かつ最大の制約です
② いま所得税・住民税を払っているか
源泉徴収票の「源泉徴収税額」を見る
iDeCo公式は「課税所得がない方は、掛金の所得控除は受けられません」と明記しています。控除する税金がなければ、iDeCo最大の利点が効きません
③ 毎月いくらなら生活が変わらないか
直近3か月の手取りと支出の差額
iDeCoは原則60歳まで払い続ける前提の制度です。無理な額にすると、掛金の減額や停止という後戻りが必要になります

この3つから配分が決まります:①で「使う予定がない」と言い切れて、②で税金を払っていて、③で無理がない金額 — その重なった金額までがiDeCo、残りがNISAです。逆に①が曖昧なら、まずNISAだけで始めて構いません。NISAは後からiDeCoに切り替えられますが、iDeCoに入れたお金はNISAに移せません。

迷いやすい3つのケース

① 専業主婦(夫)や、課税所得がない人

iDeCoの所得控除は、納めている税金から引く仕組みです。課税所得がなければ引く相手がないため、この利点は効きません。運用益が非課税という点は残りますが、それはNISAでも同じで、しかもNISAなら引き出せます。この場合はNISAを優先するほうが素直です。

② 住宅ローン控除を受けている人

住宅ローン控除は納めた税金から直接引く仕組みのため、すでに税額がほぼゼロになっている人がいます。その状態でiDeCoの所得控除を足しても、引く相手が残っていないことがあります。源泉徴収票の「源泉徴収税額」を先に見てください。

③ 50代から始める人

iDeCoの受け取りは60歳以降75歳までの間で選びます。ただし受給を開始できる年齢は加入期間によって変わるため、50代から始める場合は、申し込む金融機関に自分の受給開始可能年齢を必ず確認してください。「60歳になったらすぐ受け取れる」とは限りません。

出典:iDeCo公式サイト、厚生労働省「iDeCoの概要」(2026年9月25日確認)。個別の受給開始可能年齢は加入者ごとに異なります

両方に少しずつ、でもいい

iDeCoは月5,000円から、1,000円単位で設定できます。「60歳まで触らないと言い切れる額」が月5,000円なら、それだけiDeCoに入れて、残りをNISAに回す形で構いません。

掛金は年1回変更できます。収入が増えたら上げる、家計が苦しくなったら下げるという調整ができるので、最初から上限まで入れる必要はありません。

読み取れること:「どちらか一方」と考えるから止まります。先に小さい額でiDeCoを確定させ、残りをNISAに置くほうが、迷っている時間より前に進みます。

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iDeCoに回す額を決めたら、次に効いてくるのは毎月の手数料

iDeCoの手数料は、国民年金基金連合会と信託銀行に払う共通分(月171円)と、金融機関ごとに違う運営管理手数料に分かれます。松井証券は公式サイトで運営管理手数料を0円と明記しているので、掛金を出している間の毎月の負担は共通分の171円だけです。新規加入時には各社共通で2,829円がかかる。

少額で始めるほど、この毎月の固定費は掛金に対して重くなります。一方で、あとから他の金融機関や企業型DCへ移す際には松井証券に4,400円の移換時手数料がかかる。長く置く前提で選ぶ項目だということは、覚えておいてください。

松井証券ではじめるiDeCo

手数料・取扱商品・キャンペーンの条件は変更されることがあります。申し込み前に公式サイトで最新の内容をご確認ください。

まとめ

  1. 「どちらが得か」ではなく「60歳まで触らない額はいくらか」で決めます。その額までがiDeCo、残りがNISAです
  2. 課税所得がない人、住宅ローン控除で税額がほぼゼロの人は、iDeCoの最大の利点が効きません。源泉徴収票を先に見てください
  3. iDeCoに入れたお金はNISAに移せません。迷うならNISAから始めて構いません

本記事は制度の概要を整理したものです。特定の商品や金融機関の利用を勧めるものではありません。税額への影響は収入や他の控除によって異なります。最新の条件は各制度の公式サイトでご確認ください。

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