※本記事は制度の解説です。広告は含みません。
年末調整の書類を書こうとして、保険会社から届いたはがきが見つからない。毎年これを探すところから始まっている気がする、という方もいると思います。控除証明書は、紙を探さずにデータで取る方法があります。
出典:国税庁「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」(国税庁)、「年末調整手続の電子化に向けた取組について」(国税庁)
マイナポータル連携とは何か
国税庁の説明では、年末調整や所得税確定申告の手続において、マイナポータル経由で、給与所得の源泉徴収票や控除証明書等のデータを一括取得し、各種申告書の該当項目へ自動入力する機能、とされています。
自分の保険会社が対応しているかを確認する
ここが最初の分かれ目です。国税庁は対応している発行主体の一覧を公開していますが、一覧が2種類あり、掲載時点も違います。片方だけ見て判断しないほうが確実です。
| 一覧 | 何が載っているか | 掲載時点 |
|---|---|---|
| マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧 | マイナポータル連携に対応した発行主体 | 令和8年2月時点 |
| 保険料に係る電子控除証明書の発行主体一覧 | 電子控除証明書の対応状況と、マイナポータル連携の対応状況が別の列 | 生命保険は令和7年10月時点、損害保険は令和8年10月時点 |
出典:国税庁「マイナポータル連携可能な控除証明書等発行主体一覧」「保険料に係る電子控除証明書の発行主体一覧」
使うために用意するもの
国税庁が公開している従業員向けの資料には、次のものが挙げられています。
| 必要なもの | 補足 |
|---|---|
| マイナンバーカード | スマートフォンに搭載したマイナンバーカードも利用できるとされています |
| 読取機器 | 読取対応のスマートフォン、またはICカードリーダライタ |
| マイナポータルの利用者登録 | 事前に済ませておきます |
| 保険の証券番号など | 生命保険の証券番号、住宅ローンの契約番号などを用意します |
| 民間送達サービスの設定 | e-私書箱などの開設と、保険会社との連携設定が必要な場合があります |
出典:国税庁「年末調整手続の電子化の進め方(従業員編)」
なお、契約者が生計を一にする親族である場合は、その親族のマイナンバーカードも必要で、マイナポータル上で代理の権限を設定する必要があるとされています。
マイナポータルを使わない「個別取得」もあります
証明書のデータを手に入れる方法は、マイナポータル連携だけではありません。国税庁の資料では個別取得という方法も案内されています。保険会社のサイトから控除証明書をダウンロードして、年調ソフトに取り込む方法です。
申告書を作るのは国税庁の無料ソフトです
取得したデータを使って申告書を作るのが「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」、通称年調ソフトです。令和8年分のものは、2026年12月1日以後に行われる令和8年分の年末調整に対応するとされています。
- スマートフォン:各ストアで「年末調整 国税庁」と検索します。
- パソコン:国税庁のページからWindows版・macOS版が配布されています。
- 年調ソフトヘルプデスク 0570-02-4563(ナビダイヤル)。受付は10月1日から12月28日までの毎日、9時から17時とされています。
裏が取れなかったこと
正直に書きます。次の2点は、国税庁の公開資料から読み取れませんでした。
- 紙の控除証明書を保管しなくてよくなるのか。データで提出する流れは示されていますが、紙の保管が不要になると明記した記載は見つけられませんでした。
- 勤務先が電子化に対応していない場合に、従業員だけで完結できるのか。資料には出力形式は勤務先の指示に従う旨が書かれており、提出先は勤務先の給与担当者です。
どちらも勤務先の給与担当に確認するのが早い項目です。会社がデータでの提出を受け付けているかどうかで、やることが変わります。
- 控除証明書はマイナポータル連携で一括取得でき、申告書に自動入力されます。はがきを探す作業がなくなります。
- 対応しているかは国税庁の一覧で確認します。一覧は2種類あり掲載時点も違うので、両方を見ます。
- データの届出まで数日かかる場合があります。締切が近いなら今年は紙で出し、設定だけ先に済ませる判断もあります。


コメント