年末調整でふるさと納税のワンストップ特例は書かない|寄附金控除はそもそも年末調整の対象外

年末調整でふるさと納税のワンストップ特例は書かない|寄附金控除はそもそも年末調整の対象外 家計・節約

ふるさと納税のワンストップ特例を使ったあと、年末調整の書類を前にして「寄附のこと、どこかに書くんだっけ」と探してしまいがちです。先に書いておくと、書く欄はありません。寄附金控除はそもそも年末調整で扱う控除に入っていません。ワンストップ特例を使った分は、年末調整とはまったく別の道を通って、翌年度の住民税から差し引かれます。

年末調整でワンストップ特例の手続きは必要か

0欄
年末調整の書類に寄附金を書く欄
5団体
ワンストップ特例が使える寄附先の上限
翌年度
控除が反映されるのは住民税、しかも翌年度

出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」(2026年10月時点)

年末調整は、勤務先が1年分の給与について所得税を計算し直す手続きで、扱うのは「扶養控除等(異動)申告書」や「保険料控除申告書」に書く控除だけです。寄附金控除は、この一覧に入っていません。総務省のふるさと納税ポータルサイトも「税金の控除を受けるためには、原則として確定申告を行う必要があります」と書いていて、年末調整は選択肢として出てきません。だから、申告書に寄附金額を書く欄が用意されていないわけです。

ワンストップ特例は、会社を経由しない別ルート

用語メモ:ワンストップ特例制度
確定申告をしなくても寄附金控除を受けられる仕組みです。寄附先の自治体が住所地の自治体へ寄附の内容を連絡し、住所地の自治体が翌年度の住民税を計算するときに控除分を反映します。勤務先は関わりません。

総務省は、ワンストップ特例の申請を行った場合について「所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されます」と説明しています。年末調整は所得税を計算し直す手続きなので、住民税だけで処理されるワンストップ特例とは、そもそも通る道が違います。年末調整のあとに受け取る源泉徴収票にも、ワンストップ特例分は出てきません。

心配しなくていいのは:源泉徴収票にふるさと納税の文字がなくても、手続きが漏れているわけではありません。反映先が所得税ではなく住民税だから出てこないだけです。確かめたいときは、翌年6月ごろに届く住民税の決定通知書を見てください。

「年末調整をする人が対象」は、条件であって手続きではない

自治体の案内では、ワンストップ特例の対象者が「勤務先で年末調整される給与所得者等で、確定申告を必要としないと見込まれる方」と書かれています。これは誰が使えるかという対象条件の説明であって、年末調整の中で特例の手続きをするという意味ではありません。この一文を手続きの案内と読んでしまうと、年末調整の時期に書類を探すはめになります。

年末調整 ワンストップ特例
手続きをする人 勤務先 寄附先と住所地の自治体
反映される税 所得税 翌年度の住民税
ふるさと納税の扱い 対象外(書く欄がない) 確定申告の代わりに自治体間で処理
本人がすること 申告書を書いて提出する 寄附ごとに申請書を自治体へ送る

出典:総務省ふるさと納税ポータルサイト「税金の控除について」をもとに作成

年末調整で書く控除と、書かない控除

紛らわしいのは、保険料控除申告書には生命保険料控除や地震保険料控除を書く欄があることです。これらは年末調整で処理される控除なので、証明書を添えて記入します。寄附金控除だけが年末調整の外にある。そう分けて覚えておくと迷いません。自治体から届く寄附金受領証明書も、年末調整では使いません。確定申告に切り替わったときに必要になるので、捨てずに置いておいてください。

年末調整の時期に、自分で確認しておくこと

ワンストップ特例を使う人のチェック
□ 今年の寄附先が5団体以内におさまっているか
□ 医療費控除や住宅ローン控除1年目など、ほかの理由で確定申告をする予定があるか
□ 寄附のたびに申請書を送ったか(寄附の翌年1月10日必着)
□ 同じ自治体に複数回寄附した場合、その回数分の申請書を送ったか

どれも、相場や制度の先行きではなく、自分の記録を見れば答えが出ることばかりです。とくに2つめは、年末調整が終わったあとで事情が変わることがあるので、12月にもう一度見ておくと安心です。

申請書は紙のほかに、マイナンバーカードを使うオンライン申請もある

ワンストップ特例の申請書は、寄附のたびに紙で自治体へ送るのが基本だが、総務省は「令和4年中にされた寄附から、一部の自治体においてマイナンバーカードを利用したワンストップ特例のオンライン申請が可能となっています」としています。対応しているかどうかは自治体ごとに違っていて、総務省も、対応状況は寄附先の自治体へ問い合わせるよう案内しています。寄附先のポータルサイトや自治体の案内で、今年の寄附がオンライン申請の対象かを確認しておくと、1月10日の期限前に郵送であわてずに済みます。

どちらの方法でも、年末調整とは関係なく自分で行う手続きであることは変わりません。勤務先が代わりにやってくれるものではありません。

確定申告をすることになったら、年末調整が済んでいても書き直す

医療費控除などで確定申告をすると、ワンストップ特例は無効になります。このとき、ふるさと納税の寄附金控除も確定申告書に自分で書かないと、控除そのものが消えてしまいます。年末調整を先に済ませていても、この書き直しは避けられません。申告書を作る段階で寄附金受領証明書が必要になるのは、この場面です。

まとめ
  1. ワンストップ特例を使った人は、年末調整の書類に何も書かなくて大丈夫。書く欄自体がない
  2. 寄附金控除は、本来は確定申告で受ける控除。ワンストップ特例はその例外で、全額を翌年度の住民税側で処理します
  3. 別の理由で確定申告をすることになったら特例は無効になり、年末調整が済んでいても、ふるさと納税分を申告書に書き直す必要があります

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