「iDeCoは65歳まで入れるんですよね」と聞いて安心していたら、60歳の誕生日を迎えた月から掛金が引き落とされなくなっていた。そんな話を見かけることがあります。60歳で止まるかどうかは年齢だけでは決まらず、自分が国民年金のどの立場にいるかで分かれます。
iDeCoに加入できるのは、国民年金の被保険者である4つの区分です
厚生労働省の「iDeCoの概要」には、加入対象者として次の4つが挙げられています。国民年金第1号被保険者(自営業者等)、国民年金第2号被保険者(厚生年金保険の被保険者で、公務員や私立学校教職員共済制度の加入者を含みます)、国民年金第3号被保険者(専業主婦(主夫)等)、そして国民年金任意加入被保険者です。言いかえると、iDeCoを続けられるのは国民年金の被保険者である間、ということになります。
出典:厚生労働省「iDeCoの概要」(2026年10月時点の公表情報)
60歳で変わるのは、この4区分に残れるかどうかです
第1号被保険者と第3号被保険者は、60歳になると国民年金の被保険者ではなくなります。そのため、手続きを忘れたからではなく、何もしなければそこでiDeCoの掛金も止まります。一方、会社員や公務員として働き続けている人は厚生年金の被保険者のままなので、60歳を過ぎても第2号被保険者として続きます。iDeCo公式サイトは「掛金は65歳になるまで拠出可能であり」としたうえで、脚注で「一定の条件があります」と添えています。
| 60歳時点の立場 | 国民年金の被保険者か | iDeCoの掛金 |
|---|---|---|
| 会社員・公務員として勤務を継続 | 第2号被保険者のまま | 続けられます |
| 自営業・フリーランス | 第1号ではなくなる | 何もしなければ止まります |
| 扶養に入っている | 第3号ではなくなる | 何もしなければ止まります |
| 国民年金に任意加入した | 任意加入被保険者 | 続けられます |
60歳以降も続けたいなら、国民年金の任意加入という道があります
第1号・第3号だった人が60歳以降も掛金を出したい場合、国民年金に任意加入して4つ目の区分に入る、という方法があります。日本年金機構の案内では、任意加入できるのは次の条件をすべて満たす人です。
- 日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の方
- 老齢基礎年金の繰上げ支給を受けていない方
- 20歳以上60歳未満までの保険料の納付月数が480月(40年)未満の方
- 厚生年金保険、共済組合等に加入していない方
すでに480月を納め終えている人は、任意加入そのものができません。手続きの窓口は、お住まいの市区役所・町村役場の国民年金担当窓口か年金事務所です。
任意加入には、国民年金の保険料がかかります
忘れてはいけないのが、iDeCoの掛金とは別に国民年金の保険料そのものを納めることになる点です。日本年金機構によると、国民年金保険料の金額は1カ月あたり17,920円です(令和8年度)。60歳以降の家計から、この保険料とiDeCoの掛金の両方が出ていくことになります。任意加入そのものが年金額をどれだけ増やすか、何年で元が取れるかは、別の記事で数字を追っているのでそちらを参考にしてください。
判断軸は、自分の納付記録と今の家計です
将来の制度がどうなるかではなく、手元の情報で決められます。見るのは次の2つです。
- 60歳の時点で、国民年金の納付済期間が480月(40年)に達しているか。達していれば任意加入はできません
- 月17,920円の保険料とiDeCoの掛金を、65歳までの収入や資産から無理なく出せるか
- 納付済期間は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できます
- 会社員・公務員として働き続けるなら、この手続きは必要ありません
なお、2026年12月にはiDeCoの改正が控えており、掛金の上限の引き上げとあわせて加入できる期間も広がります。改正後にどう変わるかは別記事にまとめています。
出典:厚生労働省「iDeCoの概要」、日本年金機構「任意加入制度」「国民年金保険料」、iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCoってなに?」(いずれも2026年10月時点の公表情報に基づきます)
制度は改正されることがあります。実際の加入資格や手続きは、厚生労働省・日本年金機構・加入している金融機関の案内でご確認ください。


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