確定申告で医療費控除を使おうとすると、1年分のレシートの山を前にして手が止まります。これ、全部そのまま税務署に出すのかな。いつまで取っておけばいいんだろう。そこから調べはじめました。
先に書いておくと、レシートそのものを提出する必要はありません。出すのは明細書だけです。ただし、捨てていいわけでもありません。
医療費控除で添付するのは明細書で、レシートの提出は不要です
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」(2026年10月時点)
国税庁の案内では、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成して確定申告書に添付します。レシートは明細書を作るための元になる書類という位置づけで、申告書に付ける必要はありません。
そのかわり、確定申告期限等から5年を経過する日までの間は、税務署から提示や提出を求められることがあります。保管が義務づけられているというより、「求められたら出せる状態にしておく」書類です。
5年をどこから数えるかも迷いやすいところです。起算点は「確定申告期限等」なので、支払った日からではなく、その年分を申告する期限から数えます。令和8年分の医療費なら、2027年3月の申告期限が起点です。年またぎで通院した分は、支払った年ごとに束ねておくと数えやすくなります。
医療費通知を添付した分は、5年間の対象から外れます
ここは見落とされやすいところです。加入している健康保険組合や協会けんぽから届く「医療費通知(医療費のお知らせ)」を確定申告書に添付すると、明細書の記載を簡略化できます。そのうえ、医療費通知を添付した分の領収書は、5年以内の提示・提出を求められる対象から除かれます。
| 支払いの種類 | 明細書への記載 | レシートを5年置くか |
|---|---|---|
| 医療費通知に載っている分 | 通知の添付で簡略化できる | 対象から除かれる |
| 医療費通知に載らない分 | 自分で書き足す | 置いておく |
「10万円に届かない」で諦める前に、総所得金額等を見てください
医療費控除の額は、支払った医療費の合計から保険金などで補てんされる金額を引き、そこからさらに基準額を引いて求めます。この基準額が10万円だと覚えている人は多いのですが、総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく総所得金額等の5パーセントです。
レシートを取っておくかどうかは、この3つで決められます
全部を律儀に保管すべきか迷ったら、相場や制度の先行きではなく、自分がすでに答えを持っている3点で決められます。
□ 家族の医療費をまとめて1人の申告にする予定があるか(合算するなら全員分が必要です)
□ 市販薬や交通費など、医療費通知に載らない支払いがあるか(ここは残します)
通知でカバーされていて、家族分の合算もない支払いなら、明細書を作り終えた時点でレシートの出番はほぼ終わります。それ以外は、クリアファイル1枚に年ごとにまとめておけば十分です。
明細書は2種類あって、どちらか一方しか使えません
明細書には「医療費控除の明細書」と「セルフメディケーション税制の明細書」の2種類があります。通院や入院が中心なら前者、市販薬の購入を中心に申告したいなら後者です。両方を同じ年に使うことはできません。どちらで申告したかは翌年以降の判断にも効いてくるので、申告書の控えと一緒に残しておくと迷いません。
対象になるのは「その年に実際に払った分」だけです
医療費控除の対象は、その年の1月1日から12月31日までの間に実際に支払った医療費です。年末に診療を受けても、支払いが年明けになったものはその年の控除には入らず、実際に払った年の控除になります。レシートを年ごとに分けておくのは、保管のためというより、この線引きのためです。
2. 医療費通知を添付した分の領収書は、その5年の対象から除かれる
3. 基準額は10万円とは限らない。総所得金額等が200万円未満なら、その5パーセント
制度の内容は変わることがあります。実際の手続きと金額は、国税庁のサイトか所轄の税務署でご確認ください。


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