食料品の消費税1%はいつから|2027年4月から2年間、今は国会審議中の法案です

食料品の消費税1%はいつから|2027年4月から2年間、今は国会審議中の法案です 経済ニュース

※本記事は制度の解説です。広告は含みません。

スーパーのレシートを見て、食料品の消費税は来年から安くなるんだったか、と思うことがあります。「食料品の消費税が1%に」という見出しだけが先に広まっていて、いつから始まるのか、もう決まったことなのかが分かりにくい状態です。2026年10月26日時点で確認できることを整理します。

2027年4月1日引下げの開始予定日
2029年3月31日引下げの終了予定日
8% → 1%飲食料品の消費税率

出典:内閣官房「『飲食料品に係る消費税率の引下げ』及び『給付付き税額控除』について」と、同ページに掲載された法律案の概要資料(内閣官房)

食料品の消費税1%はいつから始まるのか

国会に出ている法律案のとおりに進めば、適用されるのは2027年4月1日(令和9年4月1日)から2029年3月31日(令和11年3月31日)までの2年間です。対象は、いま軽減税率の対象になっている飲食料品です。

法律案の概要資料では、飲食料品に係る消費税率を0.78%とし、地方消費税と合わせて1%とすると書かれています。いま私たちが「8%」と呼んでいるものも、消費税と地方消費税を合わせた数字です。

今は「決定」ではなく、審議中の法案です

ここが見落とされやすいところです。「閣議決定」という言葉をニュースで見た方も多いと思いますが、閣議決定は政府として法律案を国会に出すことを決める段階で、法律が成立したわけではありません。

日付 何があったか
2026年8月5日 「給付付き税額控除」の制度導入の基本方針を閣議決定
2026年9月15日 大綱を閣議決定
2026年10月9日 法律案を閣議決定し、国会に提出(衆議院が同日受理)
2026年10月20日 衆議院の財務金融委員会に付託

出典:衆議院「議案審議経過情報」第222回国会 閣法第1号(衆議院)、内閣官房の公表資料

読み取れること:衆議院の議案審議経過情報には、2026年10月26日時点で委員会の審査結果も、本会議の議決も、公布日も記載がありません。付託されたところまでが確認できる事実です。「もう決まったこと」として予定を立てず、成立の報道が出るまでは未確定という前提で見ておくほうが安全です。

1万円の買い物でいくら変わるか

税率だけだと実感が湧かないので、税込1万円の食料品を買った場合で比べます。商品の税抜価格が変わらないと仮定した場合の計算です。

  現行(8%) 法案どおりなら(1%)
消費税率 8% 1%(うち消費税0.78%)
1万円の買い物にかかる税 約741円 約93円
会計の合計額 10,000円 約9,352円

税率から機械的に算出した目安です。政府の公式な試算ではありません。

自分の家計に当てはめる計算今の食料品の会計額(税込)に0.065をかけると、おおよその差額が出ます。月6万円を食料品に使っているなら、6万円×0.065で月およそ3,900円、1年ではおよそ4万7千円です。お店が税抜価格を据え置くかどうかで実際の金額は変わります。

就業者負担軽減支援金もセットになっています

この法律案には、消費税の引下げとあわせて「就業者負担軽減支援金」という給付も入っています。概要資料によると、支給の要件は4つです。

条件 内容
① 勤労所得の額が政令で定める額を超えること
② 合計所得金額が政令で定める額以下であること
③ 税・社会保険料負担額から公的年金等収入額を控除した額が政令で定める額を超えること
④ 配偶者の合計所得金額が政令で定める額以下であること(2027年度・2028年度の支給は除く)
用語メモ|就業者負担軽減支援金

  • 支給は毎年1回です。2029年度(令和11年度)は4月にも支給するとされています。
  • 支援額は、前年の所得額や19歳未満の居住扶養親族の数に応じて政令で定めるとされています。当分の間は社会保険料控除額も加味されます。
  • 扶養親族の年齢要件は、2027年度・2028年度(令和9・10年度)に限り16歳未満です。

いくらもらえるかは政令で決まるため、2026年10月26日時点では具体的な金額が分かりません。

財源と、自治体への影響

税率を下げれば国と自治体の収入は減ります。概要資料では、財源は特例公債に頼ることなく、歳出・歳入全般の見直しにより確保するとされています。見直しの中身までは書かれていません。

自治体の減収はどう埋めるか地方消費税の減収額は地方特例交付金により補填するとされています。支援金にかかる費用は国が3分の2以上を負担し、残りを都道府県と市区町村が2分の1ずつ負担します。普通交付税の交付を受けないと見込まれる市区町村には特別交付金を交付するとされています。

まだ決まっていないこと

裏が取れなかった点を正直に書きます。次の3つは、2026年10月26日時点では公表資料から確認できませんでした。

  1. 対象になる飲食料品の細かい範囲。資料には「飲食料品」「軽減税率の対象となっている飲食料品」とあるだけで、品目の定義や線引きの説明はありません。
  2. 支援金の支給額と、所得の線引き。いずれも政令で定めるとされています。
  3. 歳出・歳入の見直しの具体策。方針だけが書かれています。

いま家計で見ておくこと

まだ決まっていない以上、値下がりを前提に支出を増やすのは早いと思います。代わりに、いま確認しておくと後で効くのは次の2点です。

ひとつは、月の食料品費がいくらかです。上の0.065の計算に使う数字で、自分が答えを持っている数字でもあります。もうひとつは、支援金の判定に関わる扶養親族の人数と年齢です。19歳未満か16歳未満かで判定が変わるので、該当しそうな年齢の子がいる家庭は頭に入れておくと、政令が出たときに自分が対象かどうかをすぐ判断できます。

この記事のまとめ

  1. 法律案どおりなら、飲食料品の消費税率は2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、8%から1%になります。
  2. 2026年10月26日時点では衆議院の財務金融委員会に付託された段階で、可決も成立もしていません。
  3. 就業者負担軽減支援金は4つの要件が決まっている一方、金額と所得の線引きは政令待ちです。

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