ニュースで「日銀短観、業況判断DIが◯ポイント改善」という見出しを見ても、その数字が何を測っているのか分からないまま読み飛ばしている人は多い。日本銀行の公表予定によれば、2026年9月調査分の短観は10月1日(木)午前8時50分に公表される。発表の前に仕組みを知っておくと、見出しの数字を自分の実感と照らして読めるようになります。
日銀短観とは、9,209社に景気の実感を聞く調査
短観(全国企業短期経済観測調査)は、日本銀行が企業に直接アンケートを送り、景況感や設備投資計画を集計する統計です。2026年3月の定例見直しで、調査対象は8,836社から9,209社になった。この9,209社は、資本金2千万円以上の民間企業22万社あまりの中から選ばれています。
出典:日本銀行「短観調査対象企業の定例見直し」(2026年3月6日)、日本銀行「短観(全国企業短期経済観測調査)の解説」
読み取れること:短観が注目されるのは規模の大きさだけでなく、母集団が22万社に及ぶ抽出調査だからです。一部の大企業の声ではなく、中小企業まで含めた分布として景気を見られます。
業況判断DIは「良い」から「悪い」を引いた差
短観でいちばん注目されるのが、業況判断DIです。企業は自社の業況について「1.良い」「2.さほど良くない」「3.悪い」の3つから選び、日銀は、その回答社数の構成比から次のように計算します。
DI(%ポイント)=「良い」の回答社数構成比(%)-「悪い」の回答社数構成比(%)
「さほど良くない」を選んだ企業は、どちらにも数えられません。DIは「良い」と「悪い」のどちらが多いかの差であって、景気の水準そのものではありません。
出典:日本銀行「短観(全国企業短期経済観測調査)の解説」
DIは「%ポイント」で表します。プラスなら「良い」と答えた企業のほうが多く、マイナスなら「悪い」と答えた企業のほうが多い、という意味です。0は両者が同数であることを示すだけで、景気が良いか悪いかの境目を表すものではありません。業況判断は「最近(回答時点)の状況」と「先行き(3か月後)の状況」の2つが聞かれ、ニュースではこの両方が並べて報じられます。
読み取れること:DIの絶対値より前回調査からの変化幅を見るほうが実態に近くなります。改善が続いているのか頭打ちなのか、という流れのほうが金融政策や市場の関心を集めます。
公表は年4回、次回は10月1日
短観は四半期ごとに調査して、翌月の初めに公表されます。直近では2026年6月調査分が2026年7月1日に公表された。
| 公表時期の目安 | 調査対象月 |
|---|---|
| 4月初 | 3月調査 |
| 7月初 | 6月調査 |
| 10月初 | 9月調査 |
| 12月央 | 12月調査 |
日本銀行の公表予定では、2026年10月1日(木)8時50分に「短観(9月概要)」「短観(9月要旨)」「短観(9月調査全容)」が公表されます。ニュースの見出しになるのは、このうち概要に載る大企業製造業の業況判断DIであることが多い。
出典:日本銀行「公表予定」、日本銀行「短観」
企業規模と業種の区分
短観は全体の数字だけでなく、企業規模と業種を掛け合わせた区分ごとにもDIを出しています。規模は資本金で分かれる。
| 区分 | 資本金 |
|---|---|
| 大企業 | 10億円以上 |
| 中堅企業 | 1億円以上10億円未満 |
| 中小企業 | 2千万円以上1億円未満 |
業種は31業種(製造業14業種・非製造業17業種)に分かれている。同じ四半期でも、大企業製造業が改善する一方で中小企業非製造業は横ばい、といったことが普通に起きる。
出典:日本銀行「短観調査対象企業の定例見直し」(2026年3月6日)
読み取れること:同じ「日銀短観」という見出しでも、区分によって方向がずれることがあります。全体の数字だけを見て一喜一憂すると、自分の実感とのズレが生まれます。
自分に近い区分を選ぶ
短観を自分の生活に結びつけるには、相場の先行きのような読めないものではなく、すでに知っていることを手がかりにするのが早い。
☐ 勤務先の資本金が大企業・中堅企業・中小企業のどれにあたるか
☐ 投資している投信やETFの中身が、国内株か外需関連かに寄っていないか
☐ 見たいのが今の景気か、3か月先の見通しか(短観は両方を出している)
☐ 前回の数字を覚えているか
(変化幅を見るには前回が必要)
まとめ
2.業況判断DIは「良い」-「悪い」の回答社数構成比。0は境目ではなく、見るべきは前回からの変化幅です。
3.2026年9月調査分は10月1日8時50分に公表予定。自分の業種と企業規模の区分で見ると実感と結びつきます。


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