本記事は2026年9月6日時点の公表データに基づいています。
結論:物価は「落ち着いた」わけではない
出典:総務省統計局「消費者物価指数」全国2026年7月分・東京都区部2026年8月分、日本銀行「当面の金融政策運営について」(2026年9月18日)
この3つの数字が示すこと:指数全体の伸びは2%を切っていますが、毎日買う食料は4%上がっています。「物価が落ち着いた」という言い方と家計の実感がズレるのは、この差が原因です。
数字で見る物価の現在地
全国CPI総合の前年同月比は、2026年5月の1.5%から6月1.6%、7月1.9%へと、3か月連続で伸びが拡大しています。物価上昇は鈍化ではなく再加速の方向にあります。
東京都区部2026年8月分を品目別に見ると、食料が+4.0%、コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)が+2.0%、総合が+1.9%、コア(生鮮食品を除く総合)が+1.8%と上昇している一方、電気代は-0.3%、ガス代は-1.7%と前年より下がっています。
読み取れること:指数全体を押し下げているのは電気代・ガス代のマイナス。食料の+4.0%が、他の下落で薄まって「+1.9%」に見えているという構図です。
なぜ「+1.9%」と体感がズレるのか
「コア(生鮮食品を除く総合)」は天候で振れやすい野菜や魚を除いた指数。「コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)」はさらに電気・ガス・ガソリンも除いた指数で、日銀が物価の基調を見るときに重視します。東京都区部8月分ではコアコアが+2.0%で、総合(+1.9%)より高い状態です。
家計の実感は「支出の大きい項目」に引っ張られます。食料は多くの世帯で支出の4分の1前後を占めるため、食料+4.0%は指数上の+1.9%よりも強く感じられます。逆に電気代・ガス代の下落は、使用量が少ない時期だと効果を実感しにくいという事情もあります。
日銀9月会合(9月17〜18日)の焦点
日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を「1.0%程度で推移するよう促す」に変更しました(賛成7・反対1)。続く7月30〜31日の会合では1.0%程度に据え置いていました。
この会合は2026年9月17日(木)〜18日(金)に開かれ、9月18日、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を1.25%程度へ引き上げることが決定されました(賛成7・反対2)。コアコアが2%台に乗り、総合の伸びも拡大していた状況が、追加利上げの判断材料になった形です。
会合の結果次第で、家計への波及の道筋は変わります。追加利上げなら、変動金利の住宅ローンは半年〜1年遅れで上がる方向、預金金利は上がる方向、円は買われやすいとの見方があります。据え置きなら、住宅ローン金利・預金金利ともに横ばいで、次の焦点は10月29〜30日会合に移ります。
読み取れること:どちらに転んでも「食料の値上がり」は止まりません。会合の結果を待つ前にできることがある、というのがこの図の要点です。
金利1.0%時代に家計がとれる3つの選択肢
| 比較項目 | 変動→固定に借り換え | 繰り上げ返済 | 預金の預け替え |
|---|---|---|---|
| 効果が出るまでの速さ | △ | ○ | ◎ |
| 必要な手元資金 | △ | × | ◎ |
| 金利上昇への守り | ◎ | ○ | △ |
| どれを選ぶべきか | 残債が多く返済期間が15年以上残っている人 | 生活防衛資金を確保した上で余剰がある人 | まず全員が確認して損しない選択肢 |
※預金の預け替えは元本が保証される預金の話ですが、外貨預金や投資信託は元本割れの可能性があります。金利の高さだけで商品を選ばないでください。
あなたは金利上昇の影響を受ける側?
☐ 住宅ローンの返済があと15年以上残っている
☐ 自動車ローンやカードローンなど、変動型の借入がある
☐ 生活費の3か月分を超える普通預金を、金利0.001%台の口座に置いている
☐ 預金金利を最後に確認したのが1年以上前
☐ 食費が去年より月5,000円以上増えた実感がある
まとめ
2. 政策金利は9月18日の会合で1.25%程度へ引き上げが決定(従来は1.0%程度)。
3. 利上げ決定を受けてすぐできるのは預金の置き場所の見直し。借入がある人は変動か固定かの確認を先にすべき。
本記事は公表された統計・公式発表に基づく情報提供であり、投資助言や特定の金融商品の推奨ではありません。金利・為替・物価の先行きを断定するものではありません。投資信託や外貨建て商品は元本割れの可能性があります。制度・数値は2026年9月6日時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。


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